教育や人財育成がテーマの沖縄県内最大級のカンファレンスイベント【LEAP DAY 2024】が12月14日-15日の2日間、那覇文化芸術劇場なはーとで開催されます。
今回の記事ではLEAP DAYの思いに共感し、支援をしてくださっているSwimmy那覇校 与那覇壮太さんにインタビューをさせていただきました。
Swimmy那覇校与那覇壮太様
Swimmy誕生の背景と教育への想い
ーーまずは與那覇さんの自己紹介をお願いします。
はじめまして、与那覇壮太と申します。私は沖縄県那覇市で「Swimmy」というプログラミングスクールを運営しています。現在は子どもたちを対象に、プログラミングを通じて未来を切り開く力を育てることを目指しています。子どもたちが自分で課題を見つけ、それを解決するための創造力や行動力を身につけられるよう、日々活動しています。
Swimmyを始めたのは3年前のことです。それ以前は全く違う分野で働いていましたが、ウェブサイトを作る際にIT企業の方と関わる機会があり、IT技術に触れ、魅力的に感じました。また、2020年にプログラミング教育が必修化されたこともあり、プログラミング教室を運営することを決意しました。
プログラミングを学ぶだけじゃない、創造力を育む授業
ーーSwimmyの教室では、どのようなことを教えていますか?
Swimmyでは、年長から高校生までを対象に、プログラミングを教えています。主にAIとかIoTについて深く理解をしてもらおうということを目標にしています。ただし、単に技術を学ぶだけではなく、その技術を活用して「自分の周りの課題をどう解決するか」を考える力を養うことを重視しています。
たとえば、IoTやAIといった先進的な技術を活用し、子どもたちが実際にプロジェクトを立ち上げる経験を提供しています。授業では自由な発想を尊重し、子どもたちが楽しく学びながら、自分のアイデアを形にするプロセスを支えています。
ーーSwimmyのプログラミング教育にはどのような特徴がありますか?
Swimmyでは、まず個別指導型の形式を採用しています。1人のメンターが最大2人の子どもを担当し、マンツーマンに近い形で授業を進めています。
この形式を選んでいる理由は、子どもたち一人ひとりの興味や得意なこと、あるいは現在の課題が全く異なるため、それぞれにしっかり向き合える環境を整える必要があるからです。個別指導によって、子どもたちの特性や進度に応じたきめ細やかなサポートを提供しています。
また、多様な機材を揃えている点も大きな特徴です。プログラミングという一つのジャンルをとっても、子どもたちの興味の対象は実にさまざまです。例えば、仕組みを作ることが好きな子もいれば、ものづくりが好きな子もいます。さらに、ものづくりの中でもデザインを考えるのが得意な子など、細かく分かれてくるんです。そこで、それぞれの興味やニーズに合わせて学べるよう、多彩な機材を活用し、幅広い活動をサポートしています。
これらの機材に合わせた独自のカリキュラムを開発しています。同じ機材を使っていても、プログラムの内容や指導方法は他のプログラミングスクールと一線を画しています。一人ひとりの個性や学びのペースに寄り添い、他では得られない学びの体験を提供することを目指しています。
ーー具体的な成果や印象に残っているプロジェクトはありますか?
Swimmyの授業の中でラジコンにプログラミングをして実際に動かすという授業があります。その授業でラジコンに限らず今まで勉強した中で自由に自分でテーマを決めて作品を作る際に、ある小学4年生の生徒が、自宅でお母さんが掃除機をかける姿を見て、「自動で動く掃除機を作りたい」と考えました。彼はどうやってゴミを集めるか、集めたゴミをどうやって回収するかなどを一つ一つ自分でやってみて、市販の掃除機を参考にしながら、ラジコンを改造して自動で掃除をするロボットを作るプロジェクトに挑戦しました。このプロジェクトには約3か月かかりましたが、彼は一生懸命試行錯誤し、家でも調査や設計を進めていました。彼は今Python(パイソン)をという、実際の開発現場で使われているプログラミング言語の学習を行っています。
ーー小学生にとって英語を打つだけでもハードルが高いように感じるのですが、そこもクリアされているんですね。
そうなんです。ローマ字をタイピングすることはまだ発展途上で苦戦しているのですが、プログラムを作る能力は伸びているんです。関数とか変数の考え方もちゃんと理解していて、そのようなあべこべの状態もすごくおもしろいと思っています。
また、毎回の授業でその日に学んだ内容を子どもたちが親にプレゼンをすることを促します。最初の方はたどたどしかったのですが、最近は自らプレゼンができるようになりました。
地域に開かれたフリースペースで、交流と学びを広げる
ーーフリースペースを開設されると伺いました。どのような場を目指しているのですか?
そうなんです!Swimmy那覇校独自の取り組みとして、フリースペースを作り、ものづくりやデジタル機器に触れる機会を増やしていこうと考えています。このスペースの中で、3DプリンターやゲーミングPCを置いて、子どもたちが自由に使いながら、自分の興味のあるものを見つけられて、それを極めていけるような場所にしたいと思っています。
フリースクールみたいに使っていただいてもいいし、放課後の学童みたいに使っていただいてもいいなと思っています。自由に自分たちの使いたいことに合わせて、使いたいものが自由に使えるというコンセプトで計画しています。
大人に教えられるのではなく、自分が興味を持ったものについて自分で調べて、やってみることができるような空間にしたいです。今はYouTubeで色々な動画を見れたり、色々な本も出ているので、それらを駆使して、実際にやってみる体験を積んでほしいですね。
ーーこのフリースペースの運営は大学生と一緒にされていると伺いました。
そうなんです。彼らは元々Swimmyで働いていたアルバイトのメンターなんです。フリースペースを企画していることを話すと、興味を持ってくれて一緒にやることになりました。
しかも他の仲間にも声をかけたいということで、周りの学生にも声をかけてくれ、機材選定からオープニング記念イベントの企画まで積極的に関わってもらっています。
ーーオープニング記念イベントの立案までされてるんですね!素晴らしいです。そのオープニング記念イベントについて教えてください。
クリスマスも近いので、クリスマスツリーを3Dプリンターで作ります!
ツリーの部分は数時間で作るのは難しいので、今回は土台部分を参加者に作っていただきます。3Dモデルのソフトの使い方を一緒に一から学び、最終的には3Dプリンターで出力してクリスマスツリーの土台を作ります。3Dプリンターの体験ができるので、ぜひたくさんの方に来ていただきたいです!
ーーありがとうございます!では最後に、LEAP DAYに期待していることを教えていただきたいです。
LEAP DAYでは、子供たちが自分の考えを一人の人間として伝えている姿に共感しました。これは、Swimmyで目指している理想の姿に近いと感じたので、今回参加を希望しました。初参加となる今回、ブース出展を通じて交流を深めるのはもちろん、他の発表を見て新しい学びや発見ができることを楽しみにしています。
ーー与那覇さん、ありがとうございました!
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